人は…大人になるにつれて、自分自身で生活を立てていく力が求められます。しかし、それは決して簡単なことではなく、定型発達でも多くの人が就職に苦労したり、就職後に心身のバランスを崩したりしています。
自閉症の子の場合、「自立とはどのような状態か?」から考えていくことも大切です。
この記事では、その困難を乗り越え、彼らが自立し、働くための具体的なステップを探ります。
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1.自立と就労
〜自閉症当事者の可能性〜
「自立」とは多くの場合「一人暮らしが維持できること」を指しています。
・衣食住を管理する ・働いてお金を稼ぐ ・生活リズムを維持する ・稼いだお金の範囲で生活する ・自分で状況を判断して行動する
これらのことを自力で行える状態のことを「自立」と呼ぶのが一般的。学校を卒業するまでの間に、これらの能力と習慣を身につけることが「自立のためのトレーニング」です。
しかし
これはあくまでも定型発達の人の話。障がいのある子が、これらの能力・習慣をもれなく十分な水準で身につけることは現実的ではありません。本人の資質や特性を無視して定型発達(健常者)の基準で自立を求めようとするあまり、嫌なトレーニングを強要し不適応を誘発してしまうケースも少なくありません。
ですから、自閉症の子の学校卒業後を考えるにあたっては「どの能力なら身につけられそうか」「それ以外の部分はどう補うか」を考えることが大切になってきます。つまり…
そもそも「この子にとっての自立とは何か?」を考えることが大切ということです。
ここからは、いくつかの視点で自立の中身とそのために必要なことを考えてみます。お子様の自立を考える参考になれば幸いです。
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2.生活スキルの習得
〜自立への道のり〜
自立には、基本的な生活スキルが重要です。例えば、自分で服を選び、身だしなみを整えることや、時間を守ること、自分の部屋を整理整頓することなどがあります。これらは、自立した生活を送るための基盤となるスキルです。
生活スキルは家庭や学校で習得することができます。家庭では、日常の家事を一緒に行うことから始めるとよいでしょう。例えば、料理を一緒に作ったり、洗濯を一緒にしたりすることで、生活スキルを身につけることができます。
ちょっと手伝って😊
などと声をかけ、トレーニングではなく「家族の手伝い」という感覚で繰り返すことが大切です。はじめは不慣れなためかえって足手まといになりますが、繰り返すことでスキルが磨かれていきます。
また、一緒に作業して感謝される経験は、のちの就労にも大きくかかわってくることでしょう。
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3.社会スキルの習得
〜コミュニケーションと社会的交流〜
自立した生活を送るためには、社会スキル(ソーシャルスキル)も重要です。社会スキルとは「他者と円滑にコミュニケーションを取り、共同作業を進めるためのスキル」のことを指します。
社会スキルの習得方法には、ロールプレイ(寸劇)やゲーム、対話の練習などがあります。例えば、友だちとの遊びの中で順番待ちやルールを守る体験をしたり、家庭での会話の中で相手の意見を尊重する方法を学んだりします。
つまり…
自閉症児の自立支援においては「たのしく遊ぶ」が非常に重要だということです。(ただし、無理に仲良く遊ばせようとするのは不適切。その子の段階に応じて少しずつ他者と遊ぶ感覚を養っていくことが非常に重要です。)
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4.就労訓練
〜職業能力の開発〜
自閉症当事者が就職し、安定して働き続けるために、職業訓練はとても役立ちます。職業訓練とは、特定のスキルや職業を学ぶためのトレーニングのことです。これには具体的な職業スキルだけでなく、コミュニケーションやチームワーク、問題解決といった、仕事に必要なコミュニケーションスキルも含まれます。
プログラミングやグラフィックデザインを学ぶプログラムは様々な企業・団体が提供しています。これらのプログラムは、多くの自閉症当事者が得意とする緻密な作業やパターン認識の能力を生かすことができます。
その子の能力や興味関心に応じてトレーニング内容を調整することが大切です。
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5.就労支援プログラム
〜サポートとリソースの提供〜
企業等が提供している就労支援プログラムを活用することも有効です。
まめの木鹿の子校でも就労に向けた様々なカリキュラムを実施していますが、就労支援に特化したサービスを併用することによって、より強力に就労の可能性を拡大することができるかもしれません。
こちらのサイトなどをぜひご参考にしてみてください。
自閉スペクトラム症(ASD)の方への就労移行支援 https://en-c.jp/wts/support/asd/
(まめの木でも、就労移行支援事業所を開設いたしました。詳細はぜひまめの木までお問い合わせください😊)
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6.就労後のフォローアップ
〜持続可能なキャリアパスの構築〜
就労後のサポートもとても大切。「フォローアップ」と呼ばれるもので、専門家が定期的に面談・訪問するなどして職場への適応、スキルの向上、キャリアの発展などをサポートします。
フォローアップはジョブコーチや専門家、または職場のメンターなどから提供されることが多いです。これにより、当事者は自分の能力を最大限に活用して持続可能なキャリアを築く可能性を広げやすくなります。
ジョブコーチ制度について https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/06a.html
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まとめ
お子様の自立とご家族の豊かな時間のためには、お子様の状況に応じた適切なサポートが必要です。
まめの木でも児童発達支援・放課後等デイサービスの提供を通してご家族に貢献できるよう尽力してまいります。なにか気になる点や相談したいことがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました😊
キッズランドまめの木は、茨城県県南地域(石岡市・土浦市・小美玉市・行方市)に複数の施設を運営しています。医療ケア児にも対応。保護者のお悩み相談に対応するカウンセラーも配置しています >お子様の障がいや発達の偏りにお困りの方 >困ってないけど子どもの資質をもう少し伸ばしてあげたい保護者のみなさま… ぜひ一度、まめの木までお問合せください。 相談支援専門員や公認心理師が対応させていただきます。
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