自閉スペクトラム症は、一人ひとりの特性や困難が大きく異なります。そのため、理解を深め、適切なサポートを提供できる環境を整えることが重要です。
今回は、自閉スペクトラム症の個人差について振り返り、サポートのありかたを考えてみます。
(ここからは「自閉症」と表記します。)
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困難や特徴に合わせたサポート
自閉症とひとくちに言っても「何にどう困っているか」は人それぞれです。触覚過敏の人がいる一方で、触覚が低反応(鈍感)な人もいる。
過敏な人には刺激の少ない衣類を用意するなどの対応が求められますが、低反応の人にはむしろ、本人が楽しめる範囲でどんどん触覚刺激を入れてあげることが大切になってくる。
その子がどんなことに困っているかをきちんと把握しないと、よかれと思って余計に苦しめてしまうこともあるのです。
「自閉症だから◯◯だろう…」と決めつけず、本人の困り感に丁寧に寄り添うことが大切ですね。
特定の分野での才能や能力の発揮
自閉症当事者の中には、特定の分野で非常に優れた才能や能力を持っている人もいます。例えば、芸術や計算、記憶力などの分野で顕著な能力を発揮することがあるのです。
そういった才能や能力を活かすことができる環境を整えることで、自閉スペクトラム症の人たちがより充実した人生を送ることができます。
ここで言う「才能や能力」とは、必ずしもアーティストやアスリートとしての顕著な成果につながるものとは限りません。もちろんそうした可能性を秘めた子がいることも事実ですが、それも本人の特性と向き合った結果にすぎないのです。
大切なのは、本人にとって心地よさを感じられるもの、無理なく続けられるものを尊重するということ。そうすることで本人が安心安全に過ごせる時間・場所が増え、社会性を向上させていくことができるのです。
穏やかに過ごせる時間が長くなれば、その分だけご家族の負担も減っていきます。こだわりを尊重することが、穏やかな未来を迎えるために重要なのです。
丁寧かつ早いタイミングでの説明
急な状況の変化は誰しもストレスを感じるもの。自閉症の子にはそれが特に大きい。
ですから、予定の変更はそれが決まった時、もしくはさらに前の「変更されるかもしれない」段階で説明しておくことが大切です。
合理性などへのこだわりが強いため、「大抵はこの説明で納得するだろう」といういつもどおりの説明では納得してくれないことが多い。そうした時、「この子には理解できない」と捉えるのではなく、「この子に理解できる説明方法はないか」と考えることが大切です。
まとめ
ありきたりな表現になりますが、自閉症児への支援には、一人ひとりの個性や能力を大切にすることが非常に重要です。
自閉症の人たちが自分の特性や困難を理解し、自分に合ったサポートを求めることができるよう、情報提供や理解の手助けをしましょう。
自閉症の個人差を理解し、適切なサポートを行うことで、彼らが自分の持つ能力や才能を発揮し、より充実した人生を送ることができるようになります。
共に学び、理解を深め、サポートすることで、自閉症当事者と共に、私たちも成長していけるのではないでしょうか。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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