1.はじめに
自閉スペクトラム症(ASD)は、ことばやコミュニケーション、こだわり行動に特徴がある脳の発達の違いです。ASDの診断と評価は、子どもさんのサポートにとってとても大切です。
このブログでは、ASDの診断方法や評価について、わかりやすく説明します。
2.ASDの診断方法
ASDの診断は、3つのポイントで行われます。
1つ目は「問診」です。お医者さんが、お子さんの普段の様子を保護者さんに聞きます。持ち物として、母子手帳や連絡帳、通知表などがあるといいでしょう。
2つ目は「行動観察」です。お医者さんが、お子さんが遊んでいるときの様子を見て、ASDの特徴があるかどうかをチェックします。
3つ目は「心理検査や知能検査」です。子どもさんの発達や知能、性格を調べるためのテストを行います。「WISC-Ⅳ知能検査」や「田中ビネー知能検査V」などがあります。
ただし…
たいていは一回の受診だけで診断されることはありません。数日かけて検査が行われ、その結果をもとに総合的に判断されます。
3.ASDは治療するもの…?
ASDは脳の機能に関する特性です。ですから「治療」という言葉自体あまりなじまないものです。しかし、「環境調整」や「療育」を行うことで、本人の困りごとを減らしていくことができます。
また「脳の特性だから仕方ない」と諦めるのではなく、特性を踏まえた上で適切に支援することで能力の向上や技術の習得が期待できることも忘れてはならない事実です。
4.環境調整
環境調整とは、お子さんの特徴に合わせて周囲の環境を整えることです。例えば、急な変化に対応できずパニックになる子どもさんには、一日の予定を時計の絵などで見せる方法などがあります。
また、場所によって振る舞いが変わるのが苦手な子どもさんには、部屋の中に段ボールなどを使って「遊ぶ場所」「勉強場所」「おもちゃを片付ける場所」を明確に区分けすることも有効かもしれません。
これによって、お子さんが安心してそれぞれの作業を行えるようになる可能性があるからです。
5.療育
療育とは、ASDのお子さんに対して対人関係や学習のサポートを行うことです。お子さんの発達の段階や特徴に合わせて、困りごとを解決し、スムーズに社会に参加できるようにサポートします。
根性論でできないことを繰り返させるのではなく、習得したい振る舞いのために、必要な能力や技術を分解して、段階的に習得していきます。
療育を受けられる場所には、児童発達支援センターや児童発達支援事業所などがあります。児童発達支援は原則として未就学のお子さんが対象です。小学生から高校生までのお子さんは放課後等デイサービスの対象となります。
まめの木では児童発達支援と放課後等デイサービスの事業所を運営しています。(事業所一覧はコチラ)
7.まとめ(家族にできること)
自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんへのサポートにおいて、保護者ができること(保護者だからこそできること)もたくさんあります。以下にいくつかのポイントを挙げます。
(1)特性を理解し、サポートを受ける
お子さんの特性を理解し、それに合ったサポートを受けることが大切です。 例えば、療育や環境調整など、お子さんに合った方法を検討し、専門家の協力を得ながら本人と一緒に困りごとを軽減していくことが大切です。
(2)強みや興味に焦点を当てる
ASDのお子さんには、困りごとだけでなく、強みや興味もたくさんあります。お子さんの強みや興味に焦点を当て、それを伸ばすよう心がけることが大切です。 これによって、お子さんの自己肯定感や自信を高めることができます。育まれた自己肯定感は、お子さんが新たな技術を身につける努力の原動力になってくれます。
(3)前向きに向き合う
専門家に任せきりにするのではなく、可能な範囲で積極的に関わり、お子さんと共に成長を目指すことが大切です。そうすることで支援や療育プログラムの効果を高め、お子さんの社会参加と自立を促すことができます。
これらのポイントが、ASDのお子さんのサポートに役立ちます。親御さん自身も、お子さんの特性を理解し、適切なサポートを受けることが大切です。お子さんの強みや興味を大切にし、前向きな取り組みを行うことで、お子さんの成長をサポートしていきましょう!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
キッズランドまめの木は、茨城県県南地域(石岡市・土浦市・小美玉市・行方市)に複数の施設を運営しています。医療ケア児にも対応。保護者のお悩み相談に対応するカウンセラーも配置しています。 >お子様の障がいや発達の偏りにお困りの方 >困ってないけど子どもの資質をもう少し伸ばしてあげたい保護者のみなさま… ぜひ一度、まめの木までお問合せください。 相談支援専門員や公認心理師が対応させていただきます。
Commentaires