子育てにおいてとっても大きな役割を果たす学校…。
保護者にとっては学力の向上や多様な体験の提供以前に、「日中こどもを預かってくれる」というとっても大きな存在です。
その一方で…障害の有無にかかわらず、学校生活にうまく適応できずに通えなくなるケースもたくさん報告されています。
そこで今回は、自閉スペクトラム症の子への教育支援について、ざっくりまとめてみようと思います。具体的なことはお子さんと学校の状況次第で変わってきますが、全体像の参考にぜひお読みください。
1.学校における支援体制等
(1)通常学級と特別支援学級
一般に学校は、学年を分け、同じ学年のこどもたちによってクラス(学級)を編成します。一方、特別支援学級は学年ではなく障害の種類に応じて編成されます。
小学校〜高校で多少違いはありますが、特性に応じたきめ細かい指導・支援を行うため、6〜8名を上限とした少人数で編成しています。
(枠組みとしてはこの↑ようになっていますが、職員数などの都合によりうまく編成できていない学校も多いようです。また、特別支援学級のほかに「交流級」や「通級」もありますが煩雑になるため今回は割愛します。)
(2)学校での支援策
特別支援学級では、障害のある児童・生徒の自立や社会参加への主体的な取り組みを支援するため、特性に配慮した指導・支援を行っています。自閉症のこどもたちに対しては、コミュニケーションの支援や社会性の育成などを行うこともあるようです。
(引用元:特別支援教育のトビラ https://tokushi-tobira.jp/teacher/specialclass/005.html )
(3)家庭との連携
自閉症のこどもへの指導・支援にはさまざまな配慮や工夫が必要です。一般的な教育(教科書を使った授業など)では効果を上げられないことも多いため、一見するとただの遊びに見えることも少なくありません。
指導方法などのすれ違いを防ぎ、同じ方向を向いてこどもと向き合っていくためには、学校と家庭が適切に連携し、指導・支援の意図を共有することが大切です。しかし、連携しようと思うあまり先生とご家庭の負担が過度に大きくなりすぎるのは本末転倒。双方にとって負担の少ない連携方法を模索することも重要です。
(参考:こちらのサイト↓には学校への依頼文のフォーマットが公開されています。)
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2.個別指導計画の役割
(1)個別指導計画とは
個別指導計画とは、児童・生徒のニーズに合わせた教育活動を行うための計画書です。自閉症の子供たちに対しては、コミュニケーションの支援や社会性の育成などが組み込まれることが一般的です。
(2)教育支援計画に含まれる内容
教育支援計画には、一般的に以下のような項目が含まれます。
児童・生徒の強みやニーズ
目標設定(短期目標と長期目標)
指導および評価の方法
連携・協力体制(親・学校・地域)
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3.学校行事や課外活動
自閉症のお子さんは一般的に、非日常的な体験や予定外のできごとへの対応が苦手です。そのため学校行事や課外活動への参加が困難なケースも多いようです。
親としては「思い出づくりに」と考えてなんとか出させたいと思うのですが、無理に参加させることで不適応を誘発するケースもあることから慎重な判断が必要です。
学校だけでなく、場合によっては外部機関(相談支援専門員やかかりつけ医など)とも相談して対応を協議することが大切です。
その一方で…
「自閉症だから出られない」と安易に決めつけてしまうのももったいないこと。
移動時の座席を変更すれば…
競技には参加せず応援だけなら…
など、本人の意向を確認しながらできる方法を考えることも大切ですね。
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4.まとめ
こどもたちへの教育支援は常に理想と現実のギャップが大きいものです。「やりたいことはあるけど、実現するには人も時間も足りない」という状況がそこら中にある。そうした状況自体、少しずつ改善してほしいとは思いますが…構造の改善には時間がかかるのも事実。
できることを模索して、少しでもお子様にとって過ごしやすい状況をつくりたいものですね。
まめの木もそうした教育支援の一端を担う存在としてより一層がんばります。今日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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【参考リンク】
茨城県HP「発達障害者支援について」
県内の相談機関や医療機関、家庭での対応のポイントなどが書かれています。
LITALICO発達ナビ
茨城県内の児童発達支援事業所などを検索できます。
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