人は意外と、自分のことも正確に理解できていません。
苦労して乗り越えたことは覚えていても、日常のささいなできごとが自分に与えた影響には気づいていなかったりする。
厳しい練習の価値には気づけていても、それを支えてくれた健康な身体や、食事・睡眠・家族の支えには気づいてなかったりするのです。
その最たるものが「遊び」です。
遊びをがまんし 試験勉強にはげみ 見事合格
こんな経験をした人が多いからか、遊びは多くの大人にとって「勉強」の対義語になっているようです。
しかし、本当にそうでしょうか?遊びで育まれた力に気づいていますか?その力がなければ、もしかしたら試験勉強もうまくできなかったかもしれないのです。
今日は、特にASD(自閉スペクトラム症)の子にとっての、遊びの価値と保護者の役割を解説してみます。
\遊びを通じた子どもの発達/
自閉症を持つ子どもたちは、他人への興味が薄いために発達に遅れが見られることがあります。
そんな時、保護者がどのように関わるかが非常に重要です。まずは「子どもがやりたい遊びを一緒にする」ことから始めましょう。これにより「この人といると楽しい」という感情が芽生え、信頼関係が築かれます。
好きな遊びを共有する体験を通して「この人ともっと話したい」と感じるようになり、その結果、言葉を使う力や、人の話を聞く力が自然と育っていきます。(話したいというモチベーションがなければ話す力は伸びてこない)
その子がしたい遊びにつきあうことで「いっしょに遊ぶ」の楽しさや心地よさを感じると、今度はこちらの提案を受け入れやすくなってきます。
保護者が「今度はこの遊びをしよう」と提案したとき、「一緒に遊びたい」という思いから、提案を受け入れてもいいかも…と考えられるからです。
\遊びのルールと社会的マナー/
遊びにはルールがあります。
カードゲームでもスポーツでも、ルールのない遊びはありません。
子どもたちはさまざまな遊びを通してルールを守る姿勢が身につくのです。そうした規範意識は、学校生活や友だちづきあいにも確実に役立ちます。
遊びを通して社会性の基盤が育まれるのです。
\遊びの割合を調整する/
初めは保護者が子どもの遊びに100%参加してみましょう。そして、徐々に「今日はこれを一緒に遊んでみない?」と提案してみてください。
拒絶されたら、できる限り子どもの遊びにつきあってあげましょう。提案はあくまで提案ですから、子どもの拒否する権利を尊重することも大切なことです。
もし提案に応じてくれたら、保護者と子どもの関係が深まっている証拠です。子どもの意志を尊重しつつ、おだやかに遊ぶことを心がけましょう。
\結びに/
規範意識やコミュニケーション能力は、学力以上に大切です。あせって学力を伸ばそうとするあまり、親子のコミュニケーションが一方的になり、お子さんの社会性が損なわれては本末転倒。
学校に通うにも、友だちとつきあうにも、就職するにも…ルールやマナーを守り、他者と折り合いをつけながら過ごす力は必要。それなくして学力だけを伸ばすことは極めて困難。
勉強しなくていい…という話ではなく、将来的にきちんと学び働くために、まずはいっしょに遊ぶことが大切なのです。遊びも大事な成長の場。
あせらずゆるやかに楽しみたいですね。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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