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先月、『衝動性は暴力性とはちがうよ?』という記事を書きました。
衝動性の高い子が乱暴な言動を取りがちなのは、事実。どこの現場でも家庭でも、困りごとの筆頭です。
ですが、やっぱり衝動性と暴力性はちがう。
衝動性が高い子でも、乱暴な言動は減らすことができる。
ということで今日は少し、そのアプローチを紹介してみます。中の人が実際に行っている支援です。
\きちんとダメだと伝える/
どんな理由があれ、乱暴な言動はやめたほうがいい。まわりは苦痛だし、本人も損をする。
仮になんらかの特性や障害が原因(の一部)だったとしても、だから許されるというものではありません。
そういう意味で、乱暴な言動があった時には「それはダメ」「その言い方はちがう」ということはきちんと伝えます。
\罰はあたえない/
ダメと伝えることと、罰を与えることはイコールではありません。
「ダメと伝えましょう」と言われると説教することをイメージしがちですが、そうではなく、淡々と「それはよくないよ」と伝えるということです。
「罰を与えればやめる」という考え方では事態は好転しません。むしろひどくなる可能性の方が高い。
乱暴な行為はダメ。
でもそれは罰を与えましょう…という話ではありません。
\なにが気に食わないのかをたずねる/
場合によっては本人も説明できないでしょう。
説明してくれないこともあると思います。
それでも僕はかならずたずねます。
なにが気に食わないんだ?
なににムカついてんの?
その子がまだ言葉の出ない子でも必ず。質問に答えてくれれば、それ自体がおちつく一歩目です。その言葉をきっかけに会話をつづけていけば、その場はおさまりますし、本人の頭も整理されます。
でも、答えてくれなくてもいいんです。大事なことは「本人の気持ちを聞こうとしている」という事実。その姿勢はいずれかならずその子からの信頼になって返ってきます。
「聞いたってどうせ答えてくれない」なんて思わずに、答えなくてもいいから聞く…。ここが一番大事です。
\気持ちを代弁する/
大抵の場合、こどもの言葉は乱暴です。
知るかよ! うっせぇな! ムカつくんだよ!
まったく問題ありません。それを聞いた上で、こちらがその言葉を言い換えればいい。
そうか、音がうるさすぎたんだな? さっきの指示が嫌ってことか? やりたくないってことね?
淡々とそれを伝えていく。つまり乱暴な言動のかわりに「本当はこれが言いたいんだろうな…」という推測をして、それを伝えるということです。
本人の気持ちを代弁することで、その子は自分を表現する言葉を獲得します。それは時間がかかることですから、一回や二回では成果は出ません。
ですが「どうせ言っても聞かない」などと言ってただ叱りつけるだけでは1年後も5年後もおなじ状況になるだけです。
暴力や暴言を減らしていくには、代わりの自己表現を習得することが大事。そのために、まずはこちらが代弁してあげるのです。
\まとめ/
いかがでしたでしょうか?
子育てや教育に魔法はありません。
言って聞かせればすぐ変わる…なんてことはない。
ですから、われわれがまず、短絡的な考えを改めることが大切です。一度や二度で改善させようとするのではなく、十回二十回とくり返すなかで少しずつ変化していく。
一年二年と経った頃に、「そういえば昔は乱暴がひどかったな…」となつかしむ。そんな未来に向けて、段階的に関わっていくことが大事だと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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