ASDと二次障害の理解へ
ASD(自閉スペクトラム症)を持つ人々が二次障害を抱えるリスクが高いという事実は、多くの研究によって指摘されています。しかし、その背景にはどのような要因があるのでしょうか?
この記事では、ASDを持つ人々が経験する「良いことと悪いことの認知の違い」を掘り下げ、その影響と私たちができる支援について考察します。
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ASDと記憶:挑戦と機会
人は生活の中でさまざまな体験をします。嬉しい体験も嫌な体験もつみかさね、それらが場所や人への印象となって整理されていくのです。
たとえば学校。
誰しもよい思い出ばかりではなく、嫌な記憶もあるはずです。しかし、総合的な印象では「学校はよき思い出の場所」になっている人が多い。嫌な記憶がなくなっているわけではなく、同時に存在する嬉しかったこと・楽しかったことの記憶が、嫌悪感を相殺してくれるからです。
こうした記憶や印象の相殺は、多くの人が無意識に行っていること。「言われてみればたしかに…」といった感覚ではないでしょうか。
しかし…
ASD当事者の場合、こうはいかないことが多いようです。「悪い記憶をよい記憶で相殺することが苦手」という傾向があるからです。
つまり、たとえ温かい家族や理解ある支援者に恵まれ、プラスの経験を積んでも、過去のマイナスの体験はいつまでも強く心に残るということ。これは、「良いことを忘れやすく、悪いことが残りやすい」という彼らの認知の特性に由来しています。
こうした認知特性から、ASDを抱える多くの子がマイナスの体験・ネガティブな記憶の影響を強く受け、二次障害を発症しやすくなっているのです。
ASDのサポート:具体的な対策
ASDの人々をサポートするためには、次の3つの戦略が重要です。
環境調整:マイナス体験を最小限に抑えるための環境を整えます。たとえば、学校や職場での適切な支援や、感覚過敏に対する配慮などが挙げられます。
納得のいく説明:ASDの人は、納得できないことに取り組むのが苦手です。したがって、彼らに何かを依頼する際は、その理由や背景を丁寧に説明し、同意を得ることが大切です。
納得するまでの対話:もしマイナスの体験が起きた場合は、本人が納得するまでしっかりと話し合い、問題を解決します。これは、彼らの感情を尊重し、二次障害のリスクを減らすために不可欠です。
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まとめ:ASDに対する理解を深めよう
二次障害は多くの場合、集団や社会への不適応となってあらわれるため、本人だけでなく、保護者をはじめ多くの人の負担を増やすことにもつながります。
ASDの認知特性を理解し、適切な支援を提供することは、本人の二次障害を防ぐ上で非常に重要であり、保護者・支援者にとっても非常に重要な支援なのです。
この記事を通じて、ASDの人々が直面する困難さと、それにどう対応すれば良いかの理解が深まることを願います。みなさんの体験や意見をコメントで共有していただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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